2019年の年末から徐々に感染者数が増えてきた新型コロナウイルスは、世界中に大きな混乱をもたらしました。日本国内においても、2020年の春先くらいから徐々に感染者数が増え始め、経済にも大きな影響を与えています。特に影響が大きかったホテル・旅行業界などは、コロナがまん延する以前と比べて大幅に業績をダウンさせているため、今後の動向に注目が集まっています。
ホテル業界とコロナ
ホテル業界で最も痛手となったのが、訪日外国人観光客の減少です。緊急事態宣言が発令される前から、訪日外国人観光客によるホテル需要はゼロに近い数値となっていました。また、訪日外国人観光客需要だけでなく、国内で生活する方も新型コロナウイルスの感染リスクを避けるために、外出自粛が徹底されていましたので、国内旅行の市場を大幅に縮小されてしまいました。自粛疲れやGoToトラベルキャンペーンなどの影響もあり、2020年の11月にはホテル需要は持ち直しはしましたが、新型コロナウイルスがまん延する以前の水準には遠く及びませんでした。
ホテル業界は、長引くコロナ不況の対策として、訪日外国人ではなく国内観光客、マイクロツーリズム脚を獲得するのに力を入れています。この取り組みは、コロナ禍だけでなくアフターコロナを見据えた取り組みとなっています。テレワーク需要を見越した長期滞在プランなど、コロナ禍だからこそチャレンジできるサービスを模索している最中です。
旅行業界とコロナ
旅行業界は、ホテル業界よりも新型コロナウイルスのダメージが大きかったと言えます。旅行業界は、単価の高い海外旅行などの恩恵がゼロになってしまったため、近年稀にみるほどの業績悪化が起こりました。日本よりも新型コロナウイルスの感染者数、死者数の多かったアメリカやヨーロッパの国々などは、渡航制限が行われていましたので、訪日外国人需要、そして日本人の海外旅行需要は99.9パーセント減少という信じられない数値となりました。
現在の国内旅行業界は、期待できなくなってしまった海外からのインバウンドや海外へのアウトバウンドに見切りをつけ、社内の環境を整え無駄をなくす取り組みを積極的におこなっています。グループ会社の閉鎖、役員報酬のカット、大規模なリストラ、海外拠点の閉鎖など出費をおさえつつ、積極的にデジタル化を行いながら、構造改革を行うことで出費をおさえています。また、事業モデルの転換を急速にすすめ、なんとか会社を維持しようと必至になっているところです。
ホテル・旅行業界の今後の見通し
ホテル・旅行業界は、今後も新型コロナウイルスの影響を強く受けるため、新型コロナウイルスがまん延するまでの水準に戻すことは難しいというのが、専門家の見解となっています。そのため、就職活動においては、新型コロナウイルスがまん延する以前のような人気がありません。
しかし、就職先を選ぶ時に、確実に倒産リスクのない業界や会社などは存在していません。ホテル・旅行業界の中でも積極的に新型コロナウイルスに対応しようとしている企業も増えてきました。もともと人気の職種ですので、新型コロナウイルスによって人気がない今だからこそ、ライバルが少なく狙い目だと言えます。新型コロナウイルスの対応をチェックすると、その企業の特長が良くわかると思います。しっかりと違いを見極めた上で、今後も生き残ることができるような会社を選んで就職活動を行うようにしましょう。